アメリカでの仕事の多くは研修でした。
日本で製品を販売するための研修が中心でしたが、
見聞を広げるための視察もありました。
その中で、今でも忘れられない場所があります。
IBM の研究所です。
理系の方ならご存じかもしれませんが、
「フォートラン(FORTRAN)」という言葉があります。
プログラミング言語の一つです。
当時の私は、それが“人の名前”だとは知りませんでした。
研究所に通されると、まず
しっかりしたカバーにIBMのロゴが入ったノートを渡されました。
それだけで、少し圧倒されました。
しばらくして、広報の方が一人の研究員を連れてきました。
そしてこう紹介されました。
「フォートラン博士です。」
思わず、二度見しました。
実物を見たのです。
驚いた。
感動した。
40年以上たった今でも、そのときの印象は鮮明に残っています。
もう一つ、印象に残っている視察があります。
NASA の研究施設です。
風洞実験をご存じでしょうか。
自動車や飛行機、建物の模型を使い、
風の影響を調べる実験です。
私は仕事柄、日本国内の風洞実験には何度も立ち会っていました。
ですから、ある程度は慣れているつもりでした。
ところが、NASAで行われていたのは
模型ではなく「実機」の実験。
それも爆撃機でした。
スケールの違いに、ただ驚くばかりでした。
このような経験を通して、
自分の見ていた世界が、少し広がったように感じました。
次回は、ニューヨークやボストンで感じたことを、
もう少し具体的に書いてみたいと思います。

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