館長ヒアリング

「館長ヒアリングがあります。」

そう上司から聞かされたとき、
ふと思い出したのは学生時代の卒業研究の発表でした。

あの独特の緊張感。
あれに似ている――そんな気がしたのです。

ヒアリング当日。

私は会議室での報告を想像していました。
ところが実際は、講堂にほぼ全職員が集まっての発表。

予想外でした。

その会場の空気は、15年たった今でも覚えています。

ただし――
肝心の発表内容は、ほとんど覚えていません。

資料を配ったことは覚えているのですが、
何を話したのかは、すっぽり抜けています。

それくらい緊張していたのでしょう。

そんな中でも、館長の質問だけは覚えています。

理系出身の方らしく、
とても具体的でした。

「メニューはドロップダウンですか?」

「カレンダーはイベントページと連動していますか?」

「トップページの写真はスライド式ですか?」

当時としては新しい手法を、
一つひとつ確認していきます。

幸い、事前に上司から助言をもらって準備していた内容でした。

内心ほっとしたのを覚えています。

今振り返ると、

「準備しておいてよかった」

その一言に尽きます。

ただ、60歳近くの身には、
なかなか健康に良くない一日でした。

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