まだ途中(23)
かなり昔の話になりますが、私が韓国に行き始めたころ、ソウルの街では普通に犬の肉を食べていました。
現在も探せば食べられるところがあるかもしれませんが、そんな食習慣がなくなったのは、噂話ですが、オリンピックがきっかけだったと聞いたことがあります。
中国では、今でもカエルなどは当たり前で、高級レストランになると、ヘビやサソリ、昆虫などを食べさせる店もあります。
私が駐在していた中国の寧波は、台湾の総統だった「蒋介石」の故郷に近く、彼の好物だった「臭冬瓜(腐冬瓜とも言います)」という漬物があります。
中国に行ったことのある方なら、「臭豆腐」はご存じでしょう。
日本の「くさや」に似た独特の臭いがあります。
「味は良い」と言われますが、私は何度挑戦しても美味しいとは感じませんでした。
臭冬瓜は、その漬物版です。
「蒋介石は、こんな漬物が好きだったのか……」
そんなことを思いながら食べた記憶があります。
皆さんもチャンスがあったら、一度挑戦してみてください。
ぜひ感想を聞きたいものです(笑)。
さて、話をフィリピンに戻します。
フィリピンは南国ということもあって、フルーツが豊富で、しかも安い。
マンゴーやバナナ、ヤシの実などは露店でも気軽に買えます。
ヤシの実をそのまま割って、ストローで飲む「ブコ・ジュース」は、当時100円以下だったので、私もよく飲んでいました。
私は、めったに屋台の食べ物は口にしないのですが、「チッチャロン・ブラクラック」だけは別でした。
これはタガログ語で「揚げた花」という意味だそうで、豚の皮や脂身の部分をカリカリに揚げたスナックです。
とにかくフィリピンは暑い。
そのため、できるだけ日中は外出せず、夕方からゆっくり長い夕食を取るのが習慣になっていました。
そして、街中を散歩しながら、右手にサンミゲール・ビール、左手にチッチャロン・ブラクラックを持って、1時間くらいブラブラする。
そんな日課を楽しんでいました。
ある日、仕事が忙しくて疲れていたので、早めに帰ろうと友人に話しました。
すると友人が、
「フィリピン式の元気が出るものを食べよう」
と言って、私を屋台に連れて行きました。
そこで出てきたのが、バケツの中にタオルで包まれていた「バロット」というアヒルの卵でした。
友人からは、
「とても元気が出るゆで卵だよ。味は茶わん蒸しみたいだ」
と聞いていたので、早速購入。
殻を割ってビックリしました。
卵の中には、なんと雛がいるではありませんか。
「えっ、これを食べるの?」
と聞くと、
「雛じゃなくて、周りの黄身と白身を食べるんだ」
と言います。
私が躊躇していると、
「味は茶わん蒸しと同じだよ」
と言うので、思い切って口の中に放り込みました。
ところが……。
全く、茶わん蒸しの味がしません。
我慢できずに吐き出すと、友人が一言。
「やっぱり食べられないよね!」
「えっ?」
実は、彼を含めて、彼の周りでバロットを食べた人は誰もいなかったのです。
つまり、私も彼も、食べたことがない。
「味は茶わん蒸しみたい」というのも、どこから聞いた話なのか分かりません。
完全に騙されました。
いや、正確には……
友人も食べたことがなかったのです。
本当に、びっくりしました(笑)。
次回は、私が感じたアメリカ人とヨーロッパ人の違いについて、お話ししたいと思います。

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