まだ途中(16)
カールスルーエでの仕事も無事に終わりました。
お世話になった教授とは、日本での再会を約束し、最後に味わったドイツビールとソーセージは格別でした。
緊張続きだった出張も、ようやく肩の力が抜けた気がします。
翌日、シュツットガルトからロンドンへ向かいました。
飛行時間は2時間余り。
入国審査も思っていたより簡単で、どこか国内線に乗っているような感覚でした。
ロンドン・ヒースロー空港は、街から近く、とても使いやすい空港という印象でした。
イギリス訪問の目的は、同行した教授の知人との面会です。
私はその後ろを付いて歩くだけでしたが、それだけでも十分勉強になりました。(笑)
訪れたケンブリッジ大学では、案内してくださった先生が中庭を見ながら、
「この芝生は、まだ600年ほどです。」
と話されました。
「まだ600年。」
その一言に思わず笑ってしまいましたが、歴史を大切にする国らしい表現だと妙に納得しました。
その後、その先生のご自宅にも招いていただきました。
築400年の家です。
最初は、
「大学の先生でも古い家に住まわれるんだな。」
くらいに思っていました。
ところが後で聞くと、イギリスでは古い家ほど価値があり、歴史ある家に住むことが一つの誇りなのだそうです。
文化が違えば、価値観もこんなに違うのかと驚きました。
もっとも私は、
「夜になったら何か出てきそうだな。」
などと勝手なことを考えていましたが。(笑)
ロンドンへ戻ると、同行の教授はお疲れだったのでホテルへ。
私は一人で夕食を食べに街へ出ました。
ところが、日本のような定食屋さんが見当たりません。
日本食も見つからず、結局入ったのは中華料理店。
ラーメンらしいものを食べながら、
「日本食が恋しいな。」
と、初めて思いました。
その一方で、本場のフィッシュ&チップスも味わい、パブの雰囲気にも触れることができました。
郷に入っては郷に従え。
旅を楽しむには、その土地の文化を受け入れることも大切なのだと感じました。
世界一周の旅は、このあとアメリカへと続きます。
でも、少し気分転換をしたくなりました。
次回はヨーロッパを離れ、アジアで経験した出来事をお話ししたいと思います。
ツアー旅行では、なかなか味わえないような話になるかもしれません。

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